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Pharmaceutical production

医薬品の生産

医薬品生産の現状

医薬品(家庭配置薬を中心として)は、どのように作られているのでしょうか。現在も、昔ながらの伝統手法や手作業で作られているのでしょうか。

科学技術の発達した今日、奈良のくすりも、近代的な設備において、科学的に裏付けられた方法で生産されています。もちろん、伝統的なくすりの良さを十分研究したうえで、時代に合った方法に置きかえられているのです。
現在医薬品は、種類(剤型)に応じた工程を経て作られています。厳しい管理のもとに作られた医薬品は、さらに品質の試験をされて、皆さまのもとに届けられます。
医薬品の世界も国際化・情報化が進んでいますが、奈良県でも、時代に対応した医薬品を供給しつづけています。

医薬品製造

配置薬の種類と製造工程として、代表的なものを簡単に示すと、以下のとおりとなります。

  • V型混合機

    顆粒・細粒剤

    秤量

    混合

    造粒

  • 打錠機

    錠剤

    秤量

    混合

    造粒

    打錠(コーティング)

    カプセル剤

    秤量

    混合

    造粒

    カプセル充てん

  • 製丸機

    丸剤

    秤量

    混合

    練合

    製丸

    コーティング

    液剤

    秤量

    溶解

    ろ過

    充てん

    装栓

GMP(製造管理、品質管理)

医薬品は、消費者の健康・生命に直接関わるものですから、その品質の良し悪しはきわめて重要です。そして、どんな偶然の結果によってでも、不良品が消費者のもとに届いてはなりません。そのため、厚生省では医薬品の製造の設備や方法、品質管理に関する厳しい基準を設けています。しかし、たいていの製造会社では、この基準にプラスアルファの自社基準を上乗せして、さらにレベルの高い品質管理・品質保証をしています。

※GMP:医薬品の製造及び品質管理に関する基準

カプセル充機

製造管理

医薬品の場合、誰が作業しても、間違いなく適正な製品ができるように、文書を中心として管理されています。
まず、医薬品を製造する前には、最適な製造方法・製造条件が設定され、文書となります。これは、その製造についての教科書ともいうべきものです。
工場の責任者は、その教科書に従って、各作業をする人に指示します。これは、簡潔にした見やすい文書によります。
実際に作業をする人は、その文書に従って製造を行い、その都度記録を取ります。記録は工場の責任者に厳しくチェックされて、製造が適正に行われたかどうか確認されます。もし作業の方法に問題があった場合は、製品は工場から出荷されることなく、処分されます。

液剤充てん機

品質管理

医薬品の品質は、高度な理化学試験などによって常時確認されています。
製造を終わった完成品はもちろん、製造に使用する原料や製造の途中の半製品まで、厳しい規格のもとに試験をされ、間違いのない製品が作られることを保証しています。

分析試験室

品質保証

品質管理は、できた製品の一部を抜き取り検査して、品質を調べるものですから、たまたまごく少数の不良品が混じっていた場合には、発見できない可能性があります。それを防ぐために、品質保証という考え方がとられています。
つまり、製造するに先立って、絶対に間違いの起きない、最適な製造方法、製造条件を、科学的・統計的に十分検討するというものです。場合によっては、実際の製造設備を使って、大規模に製造のテストを行い、確認します。そのために、商品とはならない試作品が大量にできてしまうこともあります。そうした代償のおかげで、信頼できる医薬品が生産されているのです。

研究・開発に最新のテクノロジーを注ぎ込む

研究・開発部門は、医薬品製造メーカーにとって企業の頭脳ともいえる重要なセクションです。 57社各メーカーは、それぞれ高度な分析技術を見につけたスタッフが、分光光度計や、高速液体クロマトグラフ、高速遠心分離器等最新の分析器をフルに活用して、入念な理化学試験を行っています。また、大学の研究室へ研究員を派遣し、最先端の医療分野への進出も意欲的に行っています。
このように恵まれた環境の中、多様化する消費者のニーズに応えられるよう、あらゆる企業努力を積み重ねています。

伝統的処方・剤型の見直し

奈良県などでつくられている、昔から続いた医薬品は、長い伝統に裏付けられた、優れた効果を持つものがあります。
近年、主に西洋で開発された化学合成医薬品の副作用が大きな問題になっている一方、漢方薬などの天然物から作られた医薬品や健康食品が、人気を集めています。また、未解明の部分が多かった、有効成分や効き方の原理が、各方面において研究され、明らかになりつつあります。
一般の消費者が自分自身の判断で用いる医薬品として、配置薬や、伝統的な処方による奈良県のくすりが、安心して使用できるものの一つといえるでしょう。

昔の製剤器具

製造工場に対する応援

奈良県には、配置薬の製造会社が多数あり、その規模、製品の種類も様々です。これらの会社が集まって、奈良県製薬協同組合という団体をつくり、協力して業界の発展を図っています。また、組合において研究所を設け、新しい医薬品の開発のための研究や、既存の医薬品の見直し研究などを行っています。

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